マッサージを受けたときには、肩こりや腰痛などからだの不調が改善するとともに、リラックス効果が得られますよね。
これは犬でも同じです。
正しいマッサージを行うことで、穏やかな気持ちになり、良質な睡眠を得られる可能性があります。
この記事では、
- 犬に行うマッサージの効果とメリット
- 犬に行うマッサージのやり方と注意点
- 背筋・肩・耳のマッサージの方法
についてお伝えしています。
「愛犬を気持ちよくさせてあげたい!」「良質な睡眠をとらせてあげたい!」という飼い主さんは、ぜひ読んでみてくださいね。
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犬はマッサージをされることで、幸せホルモンと呼ばれる『セロトニン』や『オキシトシン』が分泌され、ストレスが軽減すると言われています。
また、血流が良化し、代謝機能が上昇することで、筋肉のコリや緊張もとれるようになります。
犬へのマッサージは、人と同様、治療や術後のリハビリとして行うこともあります。
ある程度の圧力を加えることによって、筋繊維や組織が伸ばされ、動脈血や静脈血、リンパ液の循環が促進されます。
その結果、組織に蓄積された老廃物が押し流され、新陳代謝が促されます。
また、深部に圧を加えることで、エンドルフィンの分泌が促進され、痛みを抑える効果もあります。
マッサージは飼い主さんとのふれあいの機会ともなり、信頼関係の構築にもつながりますね。
さらに、愛犬の皮膚や被毛をよく触ることで、しこりの有無や毛並みなどについても見てあげることができます!
このように、愛犬へのマッサージにはメリットがたくさんあるのです。
- ストレスが軽減(リラックス効果)
- 筋肉のコリや緊張もとれる
- 痛みを和らげる
- 信頼関係の構築
- しこりの有無が確認できる
- 毛並みなどについての気づき
なでることによって、皮膚に穏やかな刺激が加わり、脳へとその刺激が伝導されます。
その結果、筋肉の緊張や神経の不安をつかさどる自律神経の緊張が緩和されます。
マッサージには、不安な状態や痛みのある犬をなだめたり、リラックスさせる効果があります。
ひいては、良質な睡眠の向上へとつながります。
愛犬にマッサージを行う際には、正しいやり方と注意点があります。
間違った方法で行うことで、リラックスができないだけでなく、かえってからだに悪影響を与えてしまうこともあります。
犬のマッサージは、正しいやり方で行うようにしましょう。
マッサージには、
- コンプレッション(圧力をかける)
- エルフラージュ(さする)
- ストローク(なでる)
- スキンローリング(つまむ)
- リンギング(圧をかけて手のひらを滑らせる)
といったさまざまな方法があります。
軽い圧力から始め、犬の反応をみながら少しずつ圧を加えていくようになります。
少し強めに行うことで、より血行の促進やコリの改善が期待されます。
圧力の目安としては、下記の通りとなっております。
- ストローク(なでる):5~200g
- エルフラージュ(さする):200g~1kg
- 通常のマッサージ:1~2kg
- コンプレッション(圧をかける)マッサージ:2~3kg
キッチンの計りなどで圧力のかけ方の練習を行い、実践しましょう!!思ったより強くないはずです。
愛犬にマッサージをやってはいけない状態としては、
- ショック状態
- 発熱時
- 急性炎症
- 皮膚病
- 感染症
- 悪性腫瘍部位
- 浮腫がある部位
- 開放性の傷がある場合
などがあります。
また嫌がっている場合、例えば噛みついてくる、逃げてしまうなどは、痛みを生じている可能性もあります。
マッサージを中止し、歩き方や足の運びなどもよく見てあげ、変調がある場合には病院を受診するようにしましょう。
犬は走ったり歩いたりする際に、前足の筋肉を多く使用します。
旅行で1日はしゃいでいたら、ここをマッサージしてあげると良いですね
そのため、前足の付け根から背中にかけての部分は疲労がたまりやすく、ほぐしてあげるといいですね。
まずは、ストローク(なでる)→エルフラージュ(さする)→リンギング(圧をかけて手のひらを滑らせる)の3つで、(前足の付け根から背中の)筋肉をゆっくり温めます。
次に、背柱から肋骨の間に指を沿わすようにして、ストローク(なでる)を行っていきます。
背柱に沿って尾側・遠位へやさしく引っ張ってつまんだり揉んだりした後、
背部全体に(なでるより少し強めに)指3本ほどで小さく円を書くように回転して刺激したり、少し圧を掛けてスライドしながら摩って刺激を与えてあげましょう。
最後に、スキンローリング(つまむ)、リンギング(圧をかけて手のひらを滑らせる)→エルフラージュ(さする)→ストローク(なでる)を連続して行い徐々に圧力を減らして終了です。
痛みを生じる場合には、ヘルニアなど神経のトラブルがある可能性もあります。
歩行状態などを確認し、速やかに受診した方が安心ですね。
犬は4本足で歩行するため、人に比べると肩こりは生じにくいからだつきとなっています。
ただ、上述のように前足付近にはコリが固まりやすいため、マッサージにてほぐしてあげましょう。
まずは、ストローク(なでる)→エルフラージュ(さする)→リンギング(圧をかけて手のひらを滑らせる)の3つで、(前足の付け根から背中の)筋肉をゆっくり温めましょう。
次に、肩甲骨(首の終わりと前足の延長付近)付近のスキンローリング(つまむ)と肩甲骨の背縁へはフリクション(なでるより少し圧を掛けてスライドしながら摩る・円を書くように回転して刺激)を行います。
前足を頭側(軽く”前にならえ”のよう)にストレッチし、
最後に、リンギング(圧をかけて手のひらを滑らせる)→エルフラージュ(さする)→ストローク(なでる)を連続して行い徐々に圧力を減らして終了です。
ツボではない部位に強い圧力を加えることで、痛みを生じることもあります。
愛犬の顔つきをよく見て、行うようにしましょうね。
犬の耳は、人と違っていろんな方向に動かすことができますよね。
それゆえ多くの筋肉が作用しており、コリがたまってしまうこともあるのだとか。
耳に関しては、決まったマッサージ法はないですので、なでる・かくなどして、愛犬をリラックスさせてあげましょう。
耳を振ったり、かしげる様子は、耳に違和感を生じています。
においや赤みなどがないか?も、合わせてチェックしてあげましょう。
特に何も使用せずに行ってもらって大丈夫です。
おなかなど毛が薄い部分については、アロマが配合したものを使うことで、より落ち着いた気分になるかもしれませんね。
結局のところ、マッサージをいかに上手に行うか?よりも、飼い主さんとのふれあい・スキンシップがとても大切となります。
なでられる、呼びかけられるということは、人にとっても嬉しいことですよね。
ワンちゃんにとっても同じですので、時間を見つけて、ぜひなでてあげてくださいね。
愛犬へのマッサージにはリラックス効果や良質な睡眠を得られる効果があります。
ぜひ、お互いにとってリラックスできる時間になるよう、今日から少しずつはじめてみてくださいね!
- 小動物外科専門誌 SURGEON 109号
- 豊見城動物高度医療センター マッサージ療法: https://wolveshand.jp/southern-wolves/tomigusuku/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%B8%E7%99%82%E6%B3%95/