スーパーで手軽に購入でき、調理方法も簡単なささみは、手作り食に挑戦したいと考えている飼い主さんにとっても理想の食材ですよ!
犬にとって栄養価が高く、健康面での効果も期待できる食材・鶏のささみ。犬の手作りご飯でも、ささみはおすすめの食材として数多くのレシピが紹介されています。
今回は、こんな疑問にお答えします。
この記事でわかること
- ささみの栄養と犬に与えるメリット
- ささみを与える時に気を付けること
- ささみを使ったおすすめの手作りご飯レシピ
をお伝えします。
愛犬に手作り食を作ってあげたいと考えている方は、ぜひ読んでくださいね。
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犬の三大栄養素は、タンパク質・脂質・炭水化物。
タンパク質の役割
- 筋肉や健康な臓器をつくる
- 丈夫な骨を形成する
- 被毛や皮膚を美しく保つ
といった重要な役割のある欠かせない大切な栄養素です。
タンパク質が不足すると、筋肉や体力が落ちたり被毛がパサついたりするだけでなく、体全体の免疫力が落ちて健康な身体を保てなくなってしまいます。ささみ100gに含まれるタンパク質の量は23.9g。鶏もも肉の16.6gと比べてもタンパク質の含有量が多いのがわかります。
他の栄養素について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
ささみは100gあたり約98Kcalと肉類のなかでも非常に低カロリーの食材です。脂質も100gあたり0.8gで、鶏肉の他の部位と比較してもかなり低いのが特徴です。
また、ささみに含まれるナイアシンは、脂質や糖質の代謝を促します。
なので、肥満防止や体重コントロールにもピッタリの食材といえます!
- 文部科学省食品データベース
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
高い抗酸化作用をもつセレンは免疫システムを強くする他、アンチエイジジング効果が期待できます。また、タンパク質の代謝を促進するB群も豊富です。
その他にも、健康な骨や歯を保つために欠かせない栄養素であるリンも豊富に含まれています。
ただし、リンは過剰摂取すると脱水症など腎不全の恐れもあるため、愛犬が喜ぶからといってたくさんあげ過ぎてはいけません。適量を守って与えましょう!
犬の健康に良い栄養がたっぷり含まれているささみを使って、愛情たっぷりの手作りご飯に挑戦してみましょう。
基本的には、犬の手作りご飯に味付けは必要ありません。肉や野菜など、素材そのものの味を楽しんでもらいましょう。
お肉の美味しそうな香りだけで、いつもとは違う特別なご飯だと感じて喜んでくれますよ。
犬は野菜の消化が苦手なため、細かく刻んで使用します。
胃腸の弱い犬やシニア犬など咀嚼・消化力が弱っている犬の場合は、フードプロセッサーでピューレ状にして使用してあげるとよいでしょう。
たんぱくな味で脂質も少ないため、どのような食材とも相性がよく愛犬の好みに合わせて食材を選ぶ楽しみがあります。
ささみは水分の少ない部位のため、たっぷりのスープで煮てあげるのもおすすめです。
煮込んだスープごと与えるようにしましょう!
高タンパク低カロリーのささみをメインに、食物繊維たっぷりの甘くて美味しいさつまいもで食欲アップ!トッピングのすりゴマが、手作りご飯で不足しがちなカルシウムを補います。
「ささみとさつまいものクリームシチュー」の材料
- ささみ 1本
- さつまいも 1cm程度の輪切り1つ
- ブロッコリー
- にんじん
- 無調整豆乳 30cc
- すりゴマ ひとつまみ
※野菜はすべての材料を合わせて、ささみ1本と同量かやや少ない程度(重さではなく、目分量で量が同じになるように)
※実際に与えてもいい量は、犬の運動量や体格によっても変わるのでうまく調整してくださいね。トッピングなら1日のカロリーの10%以内
▼簡単に犬のカロリー計算ができるツール
引用:獣医師広報版(R)|犬のカロリー計算ver3.0
「ささみとさつまいものクリームシチュー」の作り方
- ささみは1口大にカットする
- ブロッコリーとにんじんをみじん切りにする
- さつまいもは一口大よりやや小さめにカットし、水にさらしてアクを抜く
- 鍋に材料を入れ、ひたひたの水で茹でる
- 野菜が柔らかくなったら、豆乳を入れてひと煮立ちさせる
- フードボウルにいれ、仕上げにすりゴマをトッピングして出来上がり
- 出来立ては熱すぎるので、人肌程度(35〜38℃)にさましてからドッグフードにかけてください。
- 半量でつくってドッグフードにかけてもOKです(ドッグフードの量を減らすのを忘れずに!)。
- リンの含有量が気になる飼い主さんは、鶏肉の中ではリンの少ないもも肉で代用もできます。
- ブロッコリーは健康な犬には問題のない食材ですが、アブラナ科の野菜は要素の吸収を阻害するため甲状腺疾患のある犬は避けてください。
- 大豆アレルギーの犬は、豆乳をスキムミルクで代用できます。
- 「調整豆乳」には塩や砂糖が多く含まれています。必ず「無調整豆乳」を使用しましょう。
- さつまいもなど茹でた状態で指で潰せる根菜は、他の野菜と比べてやや大きめにカットしても大丈夫です。老犬など咀嚼力が落ちている犬の場合は、フードプロセッサーで他の野菜ごとまとめてピューレ状にしてから使用すると、ポタージュのような食感になり食べやすくなり安心です。
さつまいもの栄養価は高く、なんとNASAが準栄養食として研究をしているほどです。もちろん、人間だけでなく犬にとっても、さつまいもはおすすめの食材。
便のカサを増して腸の運動を活発にする不溶性食物繊維がたっぷり含まれています。また、各種ビタミンとミネラルも豊富。
通常、ビタミンCは水溶性のため加熱すると壊れてしまいます。しかし、糊化したでんぷんに覆われているさつまいものビタミンCは、加熱しても壊れにくいため、ささみと煮込んでも栄養価が損なわれません。
犬はビタミンCを体内で生成できますが、老犬はその機能が衰えているため食事から摂取できるのも魅力ですよ
- サツマイモのバイオテクノロジー:気候変動に直面した世界の食料と栄養の安全確保
https://link.springer.com/article/10.1007/s00299-019-02468-0
ささみは犬にとっておすすめの食材ですが、与える際に気をつけることがあります。
ささみを与える時の注意点
- 生肉は厳禁
- リンの過剰摂取
- アレルギーの有無
ささみに限らず、生の肉を犬に与えるのは感染症の恐れがあるため避けましょう。
ささみを与える際は、しっかりと中まで火を通してください。
また、生のささみを切った包丁やまな板を洗わずに野菜を切るのも危険です。
ささみは鶏肉の中で最もリンの含有量の多い部位です。
健康な犬がたまに少量食べるだけなら問題はありませんが、毎日、大量に与えることは避けてください。
腎臓病や結石の不安のある犬は、事前に与える量を獣医師に相談するようにしましょう。
犬のアレルギー食材の中でも、鶏肉は上位に入る食材です。
鶏肉を使用したドッグフードで症状が出ていなければアレルギーの可能性は低いですが、はじめて与える時は少量から様子を見ながら食べさせましょう。
もし下痢や嘔吐、皮膚の痒みなどの症状が出た場合には、アレルギーの可能性もありますので、獣医師さんへ相談してアレルギー検査を受けることをおすすめします。
ドッグフードの代わりに手作り食を与える場合、下記を参考にしてくださいね。
与える量はあくまでも目安で、犬種や年齢、運動量などによっても異なります。最初は少量から与えて、様子をみながら愛犬にぴったりの量を見つけてください。
与える目安
犬の体重 | 与える目安 |
---|---|
体重2〜3kg | 1食に1/2本 (25〜30g)を目安 |
体重5kg | 1食に1本 (50〜60g)を目安 |
体重10Kg | 1食に2本 (100〜120g)を目安 |
体重15kg | 1食に3本 (150〜180g)を目安 |
ドッグフードは総合栄養食として、それだけで充分な栄養が取れるように作られています。ただひとつだけ気をつけて欲しいのが、それはあくまでも水分量がしっかりと与えられている場合に限るということ。
犬の身体の約50〜80%、つまり半分以上が水分です。身体の内側がしっかりとうるおった状態でいれば、ドッグフードの栄養もスムーズに働きます。水の摂取量が少なくないか、一度計算してみてください。
- 1日に必要な水分量の目安体重 =( kg)×50〜70ml=( 〜 )ml
なかなか水を飲まないという犬の場合は、ドッグフードを食べる時に肉の茹で汁をかけてあげたり、ヤギミルクを与えたりしてしっかりと水分を取れるようにしてあげましょう!
今回紹介したメニューのように、水分がたっぷりとれる手作りご飯をたまにあげるのもいいですね。ささみは隠れ脱水の予防にも効果が高いと言われている食材です。
喉の渇きを自覚しづらくなっている老犬などは隠れ脱水になる危険も多いため、茹でたささみをドッグフードにトッピングしてあげてもよいでしょう。
手作りご飯を上手に活用して、健康で美味しい毎日を過ごしてくださいね。