ドッグフードのパッケージには、タンパク質や脂質含量などの『成分表』が必ず記載されています。
ただ、成分表のどこを見てドッグフードを選ぶといいのか?は、よく分からないことも多いと思います。
この記事では、
- ドッグフードの成分表について
- ライフステージや体型などに分けて見るべきポイント
をお伝えしています。
愛犬に合った成分のフードを選んで、健康的な生活をさせてあげたい!という飼い主さんは、ぜひ読んでみてくださいね。
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ドッグフードのパッケージには、原材料名や成分表、給与方法など、さまざまな項目が記載されています。
中でも、タンパク質や脂質、繊維質などの成分については、含有量の表示ルールが定められており、『成分表(成分表示)』として記載されています。
それぞれの成分の役割については、こちらの記事で詳しく解説しておりますので、ご参照ください。
【徹底解説】ドッグフード成分表や原材料の見方~これでカロリー計算もマスター~成分表を見るときのポイントとしては、
- ライフステージに合っているのか?
- 体型に合っているのか?
- 抱えている悩みに合っているのか?
など、シーンごとに違いがあります。
以下で分けてお伝えしますね。
ライフステージに合った食事を選んであげることはとても重要です。
年齢に見合っていない食事を与えることで、太る・痩せるということのみならず、体調を崩してしまうことも多くあります。
ここでは、子犬・成犬・シニア犬に分けて解説しますね。
子犬の場合には、健康的なからだ作りをするため、十分なカロリー摂取が必要となります。
ただ、子犬の胃はとても小さいために、一度にたくさん食すことができません。
それゆえ、少量でも十分にカロリーが摂取できるドッグフードを与えることになります。
ここで、AAFCOにおける幼犬用の基準を見てみましょう。
- タンパク質:22.5%以上(←成犬は18%以上)
- 脂肪:8.5%以上
- カルシウム:1.2~1.8%
- リン:1.0~1.6%
- カリウム:0.6%以上
- ナトリウム:0.3%以上
成犬におけるタンパク含量の基準が18.0%以上であることから、幼犬ではより多くのタンパク質が必要となることが分かります。
タンパク質は、筋肉や皮膚などといったからだのあらゆる組織を作るためにとても重要な栄養素です。
子犬の場合には、高消化性のタンパク質を多く摂取することで、効率よく利用することができます。
また、脂質はエネルギー源としてとても重要であり、細胞やホルモンなどの成分にもなるため、成長期の子犬には十分に摂取させてあげましょう。
豊富な脂質は、嗜好性の向上にもつながりますよ。
成犬になるまで(1歳ごろまで)は、子犬用フードを与えて様子をみてあげましょう。
ライフステージだけではなく、犬種もしっかり考慮しましょう!
なお、一度に多く食すことのできない子犬は、多く食べすぎることで下痢や嘔吐を容易に引き起こします。
愛犬の様子を見ながら、1日3~4回程度に分けて食べさせてあげましょう。
長い成犬期においては、年齢を区切って食事を考えるのではなく、それぞれの体調や悩みにあわせて選んであげるといいでしょう。
つまり、あまり食べない子においてはより食いつきがよいドッグフードを、太り気味の子については効率よくダイエットができるドッグフードを選ぶようになります。
以下でお伝えする『体型に合っているのか?』『抱えている悩みに合っているのか?』もご参照くださいね。
なお、避妊・去勢手術をしたワンちゃんにおいては、太りやすくなる傾向があります。
生殖にかかわるエネルギーが必要でなくなることがその理由となります。
そのため、太ってしまう子においては、脂質分が低めのドッグフードがおすすめです。
良質なタンパク質の摂取は、健康的なからだ作りに必須となるだけでなく、次に続くシニア期に向けても気にしたい項目です。
ただ、高タンパクなフードは、脂肪分も多くなる傾向があります。
なるべく、ささみや胸肉、馬肉やシカ肉などの、低脂質のタンパク源を選んであげるといいですね。
そして、繊維質が多い食事も、避妊・去勢をしたワンちゃんにおすすめです。
高繊維の食事は腹持ちがよく、排便量も増加するため、ダイエットフードとしても利用されます。
いつからがシニア犬なのか?の明確な基準はありませんが、一般的に寿命の約1/2を過ぎると中高齢期、約2/3を過ぎると高齢期と言われています。
そのため、小・中型犬で7~10歳程度、大型犬なら5~6歳前後からシニア期と呼ばれるようになります。
この頃になると、運動量が減少したり、若いときに比べるとよく寝るようになったり、消化吸収能力の低下…といったさまざまな症状が見られるようになります。
そのため、状態に見合った食事に変更していく必要があります。
なお、AAFCOにおいては、老犬期の栄養基準は特にありません。
そのため、愛犬の様子を自身で判断してフード選びをしてあげなければいけません。
一般的に、シニア期に入ると、腎臓の機能が低下してくることが多く、高タンパクの食事があわなくなってくることがあります。
だからといって、やみくもに低タンパクの食事に変更すると、元気がなくなったり毛並みや悪くなったりすることもあります。
動物病院での定期検診を通じて、愛犬の状態を客観的に把握する必要もありますね。
また、食いつきが悪くなってきた場合には、少量の食事で多くの栄養分を摂る必要があります。
そのため、ある程度タンパク質と脂質が多めの食事をあげるとよい場合もあります。
チューブやシリンジであげられるような、柔らかい形状のドッグフードもおすすめですね。
ω3・ω6脂肪酸が豊富な食事は、シニア犬の免疫力向上や毛並みを良化させる可能性もあります。
これらが配合された食事を選んであげることに加え、サプリメントとして摂取してもいいですね。
このように、シニア期に入るころには食事の変更が望まれますが、成犬と変わらずの食欲や元気さがある場合には、ドッグフードを変えずに様子を見てあげることも方法のひとつとなります。
そのドッグフードが愛犬の体型に合っているのかを考える際には、そもそも、愛犬の体型が適正なのかどうか?を見極めてあげる必要があります。
「この子の適正体重はどれくらいですか?」と尋ねられる飼い主さんも多いですが、一般的には体重だけで判断することは難しいです。
それは、骨格や年齢、運動量や食生活なども関係するからです。
そのため、適正な体型かどうかをチェックするためには、BCSという指標に基づき判断する必要があります。
BCSは、
- (横から見た時の) 肋骨部分の脂肪のつき具合
- (上から見た時の) 腰のくびれ具合
で5段階に分けて判断をしていく適正体重の判断方法です。
肋骨を触って骨が触れられない場合や、上から犬を見たときにウエスト部分にくびれがない状態のとき(BCS4,5)は、少し太っている可能性があります。
逆に肋骨がゴリゴリ触れたり、くびれが強くある場合(BCS1,2)には、痩せすぎとなります。
BCS1や5の場合には、極端に痩せすぎまたは太りすぎということなので、まずは動物病院で疾患がないかをチェックしてもらいましょう。
BCS2と4の場合には、食事の改善で良化する場合もあるので、分けてお伝えしますね。
BCS2の場合には、少しやせすぎですので、より多くの栄養を摂取する必要があります。
食いつきがよく、ある程度カロリーの高い食事をあげましょう!
また、なるべく高タンパク質の方がよいですので、原材料として鶏肉や豚肉など肉類が豊富に使われているものを使用するといいですね。
食いつきが悪い場合には、食べやすいよう、ウェットタイプの食事を用いることも方法のひとつとなります。
食いつきが良くなるドライ x ウェットフードのミックスフィーディングについて知りたい方は、下記を参照ください!
ブッチとドライフードを混ぜておいしさと栄養が手軽に摂れる?!【適量の計算方法も徹底解説】この場合には、少しぽっちゃり傾向ですので、なるべく低脂質で低カロリーの食事がおすすめです。
市販されているダイエットフードは、繊維質を多く配合することで、腹持ちをよくし、排便を促す効果があります。
手作り食をする場合には、ささみや胸肉などの脂肪分が少ない部位をあげるようにしましょう。
愛犬が抱えている悩みは、それぞれあると思います。
ドッグフードの成分表を参考にすることで、食事を通して改善する場合もあります。
合わせて、原材料の内容やバランスも参考にするといいですね。
ただ、症状が続いていたり、強く出ている場合には、まずは動物病院の受診をしましょうね。
便が柔らかい場合には、繊維質が多めの食事がおすすめです。
人でも、じゃがいもやさつまいもなどの繊維質が豊富な食事を食べると、いい便が出るようになりますよね。
これはワンちゃんでも同じで、おなかのトラブルがあるときには、繊維質が多めの食事が良い場合もあります。
また、腸内をサポートできる乳酸菌やオリゴ糖などが配合されたものもおすすめです。
皮膚のトラブルには、必須脂肪酸が配合されたドッグフードがおすすめです。
というのも、ω3・ω6脂肪酸は、ワンちゃんの皮膚の健康にかかわり、適量を摂取することで、皮膚の健康および毛づやをよくする傾向があるからです。
ドッグフードに配合されているものもありますが、サーモンオイルや亜麻仁油などにω3脂肪酸は多く配合されていますので、毎日の食事に加えてみてもいいかもしれませんね。
加える量は、小型犬でティースプーン1杯程度となりますが、おなかが緩くなってしまうこともあるので、愛犬の様子でチェックしてみましょう。
また、良質なタンパク質が豊富な食事もおすすめです。
タンパク質は被毛や皮膚などの構成に関与しているため、皮膚トラブルがある場合には、必須の栄養素となります。
成分表や原材料と合わせて、嗜好性もチェックしてみましょう。
一般的には、脂質が高いフードの方がおいしく、嗜好性は高くなると言われています。
アミノ酸やペプチドが豊富に含まれた食事も好む傾向にあるため、それらが多く配合された食事を選んでみるといいでしょう。
特に、トイプードルやチワワなどの小型犬やシニア犬では、食いつきが悪いこともしばしばあります。
食が細い子の場合は、わがままの時もありますけどね…
そのようなときには、ある程度脂質含量が高く、良質なタンパク質が使用された食事を選んであげるといいですね。
すぐに実践できる5つの対処法は、下記で紹介しています!
「食いつきゼロ」から脱出!今すぐ実践できるドッグフードを食べない時の5つの対処法愛犬のライフステージや体型に合った食事なのかを判断するためには、ドッグフードの成分表を参考にしてみましょう。
愛犬に合った食事は、健康的なからだを作り、寿命が長くなる可能性もあります。
タンパク質や脂質含量はどれくらいか?カロリーは多すぎないか?
いつものドッグフードを今一度見直してみましょう!
- AAFCO栄養基準(2016)に基づく成分分析一覧表
https://natural-harvest.co.jp/wp-content/uploads/2020/05/aafco_dry.pdf