「愛犬がガーガーいびきをかいています…」
「旅行先で愛犬のいびきがすごいことに気づいた…」
そんなときには、「様子をみてもいいのかな?」「治療が必要なのかな…」と不安になってしまいますよね。
実際、犬のいびきは、命にかかわることもあり治療が必要なケースも多くあります。
この記事でわかること
- 犬のいびきの7つの原因
- 犬のいびき対策
などについてお伝えしています。
いびきを生じるワンちゃんを飼っている飼い主さんは、ぜひ読んでみてくださいね。
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そもそも、いびきとは、睡眠中に鼻やのどなどの息が通るところ(気道)が狭くなり、その部分を通る気流が乱れることで、鼻やのどが振動して出た音です。
主な7つの理由
- 犬種(短頭種)
- 軟口蓋過長症
- 太っている
- 鼻炎やアレルギー
- 気道に腫瘍がある
- 気管虚脱
- 心臓病
以下で分けてお伝えしますね。
- 鼻がつぶれた犬種(『短頭種』)は、いびきをかきやすい傾向にあります。
(シーズー、ブルドッグ、パグ、フレンチブルドッグ…など)
これらは『短頭種』と呼ばれ、マズルが短いことなどにより、さまざまなトラブルを生じる可能性があります。
その一つとして、『短頭種気道症候群』という病気があります。この病気は、特徴的な上気道(マズルや鼻孔、鼻腔、喉頭など)の形態が原因で、閉塞性の呼吸を示す病気です。
先天的に鼻孔が狭いことが特徴で、正常な鼻孔がカンマ型なのに対して、狭窄している子では直角となっています。
気道のトラブルのほかにも、裂孔ヘルニア(胃の一部が横隔膜から胸腔に突出した状態)や胃炎による嘔吐や吐出などの消化器症状を呈することもあるので要注意!
犬でいびきをかく原因とし軟口蓋過長症も多く見られます。軟口蓋は、のどの奥にある弁状の組織で、口腔と鼻腔の遮断を行っています。
通常、犬の軟口蓋は、軟口蓋の尾端が喉頭蓋の先端と重なるか重ならないか程度の長さが正常とされています。
ただ、喉頭蓋の先端を超えて、披裂軟骨など尾側にまで伸展している状態がしばしばみられ、これを軟口蓋過長症といいます。
人においても、肥満気味の人は、いびきをかくイメージがありますよね。
これは、脂肪により気道が狭くなっているためです。
対策は、運動ではなくダイエット用の療法食を用いたり、ウェットフードや野菜などでかさまし!
鼻炎やアレルギーがある場合には、気道が腫れたり、鼻水の分泌が盛んとなります。
最近では、環境衛生の向上から、犬においても、アレルギーがよく見られるようになりました。
犬におけるアレルギーの原因は?
- ハウスダスト
- 花粉
- 食物
- カビ
- ダニやノミ
…などと、人と同じようにたくさんあります。
気道にできものがあることで、空気の流れが変わり、いびきを生じることがあります。
他にも、鼻水や鼻血、鼻づまりや咳といった症状を併発することもあります。
鼻腔にできた腫瘍は悪性であることも多く、顔が変形したり、食事を摂れなくなってしまうということも…外から見えづらいため、残念ながら発見が遅れることが多いです。
気管虚脱とは、空気の通り道である気管がつぶれてしまい、呼吸ができなくなってしまう病気です。
通常、気管は『C』の形をしている硬い軟骨で構成されているため、つぶれることはないですが、支える軟骨が弱くなることで、ペチャンとつぶれてしまうことがあります。
心臓病により、心臓が肥大し、気管を圧迫することで、いびきのような音を生じることもあります。
犬でよくある心臓病である、僧帽弁閉鎖不全症は、左心室と左心房を隔てる逆流防止弁が閉まりづらくなることで逆流を生じる病気です。
この病気は、どの犬種でもなる可能性がありますが、チワワやマルチーズなどの小型犬の高齢期に多く発症する傾向にあります。
咳、特にのどに何かがつまったかのように吐き出す乾いた咳を生じることも多く、早期診断と早期治療が必要となります。
犬がいびきをかくときには、レントゲン検査や内視鏡検査を行います。
レントゲン検査で確認していることは?
- 軟口蓋の過長(肥厚)
- 喉頭蓋後傾
- 気管低形成
- 誤嚥性肺炎
- 食道拡張
施設によっては、X線透視検査を行い、頸部の動的気管虚脱や咽頭虚脱の判定も行います。
健康なワンちゃんでもいびきをかくことはあります。
そのため、すべてのいびきが危険で命にかかわるわけではありません。
危険ないびきの一例
- いびきをかかなかったのに、かくようになった
- 激しく、大きくなってきた
- 起きているときにもいびきのような音が聞こえる
といった場合です。
暑い時期や興奮をしたときには、いびきや異常な呼吸音が悪くなる傾向にあります。
「うちの子はいびきをかくんです」と、少し笑いながらおっしゃる飼い主さんもいらっしゃいますが、危険信号である場合もあります。愛犬のいびきに不安がある場合には、すぐに動物病院をご受診ください!
それでは、どのような対策・対応が必要になってくるのか解説していきますね。
それぞれの原因と対策
- 鼻の穴が小さい・軟口蓋過長症の場合 ➤ それぞれ、鼻の穴を大きくする、軟口蓋を切除する処置又は、薬物にて呼吸を楽にし、炎症をひかせる治療など
- 悪性腫瘍の場合 ➤ 放射線治療
- 太っている子の場合 ➤ 運動ではなく食事療法。ダイエット用の療法食を用いたり、ウェットフードや野菜などでかさましをして対応
これら以外のすぐにできる対策としては、涼しくしてあげることです。
夏場は暑くなりすぎることで、呼吸回数が増え、それによりさらに呼吸がしづらくなるということがよくあります。
冷房をつけて早めの対策をしてあげましょう。また、夏場は、お散歩時間も重要であり、朝方や夜など、涼しい時間帯に行くようにしましょう。
暑くなるこれからの時期は、愛犬の呼吸状態をよりチェックしましょうね!!
犬がいびきをかく理由は、
主な7つの理由
- 犬種(短頭種)
- 軟口蓋過長症
- 太っている
- 鼻炎やアレルギー
- 気道に腫瘍がある
- 気管虚脱
- 心臓病
といったことがあります。
梅雨時期や夏場は、呼吸器トラブルが生じやすくなる時期です。
ダイエットや涼しくすることとあわせて、愛犬をより注意深くみてあげましょう!
- 辻本元,小山秀一,大草潔,中村篤史,犬の治療ガイド2020,EDUWARD Press,p228-p233