豚肉は犬にとって栄養価が高く、ドッグフードや犬用おやつの原材料にも使われる人気の食材です。これを使って手作りご飯作ってみませんか?
手軽に購入できて取り入れやすいので、犬の手作りご飯に挑戦してみたい人にもオススメですが、犬に豚肉を与える際には注意点もあります。
なので今回は、こんな疑問にお答えします。
この記事でわかること
- 豚肉の栄養と犬に与えるメリット
- 豚肉を犬に与える時に気を付けること
- 豚肉を使ったおすすめの手作りご飯レシピ
- 犬に豚肉を与える時の適量
をお伝えします。
愛犬に手作りご飯をつくってあげたいと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
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豚肉には犬の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
豚肉の栄養と期待できる5つの健康効果
- ① 健康な体をつくるタンパク質
- ② 疲労回復効果が期待できるビタミンB1
- ③ ストレスケアや皮膚の保湿に有効なビタミンB3
- ④ 良質で豊富な脂質
- ⑤ 重要なミネラル・カリウム
それでは、一つ一つ見ていきましょう。
筋肉や健康な臓器、丈夫な骨をつくり、被毛や皮膚を健康で美しく保つなど、犬の体になくてはならない重要な栄養素がタンパク質です。
豚肉はビタミンB1を豊富に含む食材です。疲労回復効果が期待できるので、運動量の多い犬はもちろん、回復力の落ちている犬の健康にもよいでしょう。
脂質や糖質、タンパク質の代謝に使われるビタミンB3(ナイアシン)は、不足すると皮膚の炎症や下痢を引き起こす可能性があります。
良質な脂質は、被毛や皮膚の健康維持効果が期待できます。ただし、カロリーが高く肥満リスクもあるので、取りすぎには注意が必要です。
体内にあるミネラルの中で、最も量が多いのがカリウムです。体内にある余分な塩分を排出する重要な働きをしています。
豚肉の栄養素は、部位によって含有量が異なります。体質や年齢、運動量などに応じて、使用する部位を選びましょう。
※生100gあたり | ヒレ | ロース(脂身つき) | バラ(脂身つき) |
---|---|---|---|
エネルギー | 118kcal | 248kcal | 366kcal |
タンパク質 | 22.2g | 19.3g | 14.4g |
脂質 | 3.7g | 19.2g | 35.4g |
ビタミンB1 | 1.32ml | 0.69ml | 0.51ml |
カリウム | 430ml | 310ml | 240ml |
カリウムは、腎機能が衰えている犬や腎臓に疾患のある犬は摂取量に注意が必要です。かかりつけの獣医師と相談して与えましょう!
- 文部科学省食品データベース
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
犬の健康に良い栄養素がたっぷりの豚肉ですが、これまでに「犬に豚肉はダメ」という話を聞いたことがあるかもしれません。
その理由は、肉類の中でも豚肉は脂肪分が多くハイカロリーの食材だからです。豚肉の栄養素自体は犬に有害なものではありません。
体重管理をしている犬や肥満気味の犬は脂肪分の少ない部位を使う、脂肪分を落とすような調理法を選ぶなどしてください。
子犬に豚肉をあげても問題はありませんが、まだ消化機能が未発達な時期のため脂の少ない部位を選んであげましょう。
豚肉は嗜好性が高く、あまり多くあげすぎるとドッグフードを食べなくなってしまう子犬もいます。食欲のない時に少量のトッピングをする、特別な時のご褒美に使うなど工夫して与えましょう。
高齢になると、食欲が落ちてしまう犬に「なかなか食べてくれない」と悩む飼い主さんも多いでしょう。タンパク質やアンチエイジング効果が期待できるビタミンB群を多く含む豚肉は老犬にオススメの食材です。
豚肉を好む犬は多くタンパク質を効率的に摂取できるので、高齢になると減少しがちな筋肉をつくるためにも有効です。咀嚼力が落ちた老犬などは、細かくカットしたりひき肉を使ったりしても良いでしょう!!
犬の健康に良い栄養がたっぷり含まれている豚肉を使って、愛情たっぷりの手作りご飯に挑戦してみましょう。
基本的には、犬の手作りご飯に味付けは必要ありません。肉や野菜など、素材そのものの味を楽しんでもらいましょう。
お肉の美味しそうな香りだけで、いつもとは違う特別なご飯だと感じて喜んでくれますよ。
犬は野菜の消化が苦手なため、細かく刻んで使用します。
胃腸の弱い犬やシニア犬など咀嚼・消化力が弱っている犬の場合は、フードプロセッサーでピューレ状にして使用してあげるとよいでしょう。
豚肉のなかでも鉄分とビタミンB1が豊富なヒレ肉をつかって、ポークカレー風ご飯をつくりましょう。ビタミンB1は、炭水化物を効率よくエネルギーに変換してくれます。
じゃがいもは「畑のりんご」と呼ばれるほどビタミンCたっぷりの食材です。でんぷんで覆われているため、加熱しても損なわれにくいのが特徴です。
本来のカレーは香辛料たっぷり、NG食材である玉ねぎも使われているため犬が食べてはいけないメニュー。けれども今回ご紹介する「ポークカレーライス風ご飯」は、犬に安全な食材だけをつかったカレー風のメニューなので安心してくださいね。
「ポークカレーライス風ご飯」の材料
- 豚ヒレ肉 100g
- じゃがいも 30g
- にんじん 20g
- ウコン 小さじ ½
- 水 120ml
- ご飯 30g
- 刻みパセリ 少々(トッピング用)
※実際に与えてもいい量は、犬の運動量や体格によっても変わるのでうまく調整してくださいね。トッピングなら1日のカロリーの10%以内
▼簡単に犬のカロリー計算ができるツール
引用:獣医師広報版(R)|犬のカロリー計算ver3.0
「ポークカレーライス風ご飯」の作り方
- 豚肉は1口大にカットする
- じゃがいも・にんじんはみじん切りにする
- 鍋に水を入れて火にかける
- 沸騰したら野菜と肉を入れ、具材に火が通るまででる
- ウコンを入れさっと煮立たせる
- ごはんとカレーを盛り付け、刻みパセリをトッピングする
- 出来立ては熱すぎるので、人肌程度(35〜38℃)にさましてからドッグフードにかけてください。
- 片栗粉でとろみをつけてもOKです。冷めづらくなるので、しっかり冷ましましょう。
- 食べる前にごはんとカレーを混ぜ合わせてあげると、食べやすくなります。
- ごはんの代わりにドッグフードにかけてもOKです。(ドッグフードの量を減らすのを忘れずに!)
- 使用する野菜は一例です。犬が食べても大丈夫な野菜なら、好みに応じてアレンジしてもOKです。
- 今回、使用したウコン(ターメリック)は犬には問題はありませんが、市販のカレー粉は犬には有害です。絶対に使用しないでください。
- 妊娠中・授乳中の犬はウコンは抜いてつくってあげましょう。
犬にウコンを与えてもいいのか、心配な飼い主さんもいるかもしれません。
実はウコンは、犬用の漢方に使われたり、犬用サプリが販売されたりしています。ドッグフードの原料に使うこともあるくらいポピュラーな天然素材の食材なので安心してください。
ウコンには、抗酸化作用・抗炎症作用がある他、肝臓機能を強化する効果も期待できます。ただし、健康に良いからといってウコンの過剰摂取は消化器や肝臓機能に負担がかかります。ウコン入りのサプリなどを併用している場合は、摂取量に気をつけてください。
また、肝臓や胆嚢に疾患のある犬や消化器疾患のある犬は、必ず獣医師と相談してから与えてください。
豚肉は犬にオススメの食材ですが、与える際に気をつけることがあります。
- 生肉は厳禁
- カロリーオーバーに注意
- アレルギーの有無
生の豚肉は寄生虫や細菌が付着しているため、そのまま食べてしまうと食中毒を発症する可能性があります。豚肉を与える際は、しっかりと中まで火を通してください。
豚肉に限らず、生の肉を犬に与えるのは感染症の恐れがあるため避けましょう。また、生の豚肉を切った包丁やまな板を洗わずに野菜を切るのも危険です。
豚肉は肉の中でも高カロリーな食材です。体重管理している犬は、とくに与える量と与え方に気をつけましょう。
摂取カロリーを抑えるためには、茹でて脂を落として与えるのがオススメです。とくに、バラ肉などの脂の多い部位を使う場合には、最初に茹でて余分な脂を落としてから、焼く・炒める・煮るなどの調理をすると良いでしょう。
また、茹でてしっかりと中まで火を通すことで、食中毒の危険も回避できます。
豚肉は、アレルギーになりにくい食材とはいえ、なかには症状が出る犬もいます。
豚肉を使用したドッグフードや市販のおやつで症状が出ていなければアレルギーの可能性は低いですが、はじめて与える時は少量から様子を見ながら食べさせましょう。
もし下痢や嘔吐、皮膚の痒みなどの症状が出た場合には、豚肉アレルギーの可能性もありますので、獣医師さんへ相談してアレルギー検査を受けることをおすすめします。
ドッグフードの代わりに手作り食を与える場合、下記を参考にしてくださいね。
与える量はあくまでも目安で、犬種や年齢、運動量などによっても異なります。最初は少量から与えて、様子をみながら愛犬にぴったりの量を見つけてください。
脂のない部位の与える目安
犬の体重 | 与える目安 |
---|---|
体重2〜3kg | 1食に25〜30gを目安 |
体重5kg | 1食に60〜70gを目安 |
体重10Kg | 1食に100〜120gを目安 |
体重15kg | 1食に150〜200gを目安 |
比較的アレルギーを起こしにくいといわれる豚肉は、犬の体に嬉しい栄養素がたっぷりの魅力的な食材のひとつです。
豚肉をつかったメニューをつくる時は、必ずしっかりと火を通すことを意識してつくりましょう。
部位によっては高カロリーになるため、摂取量に気をつけながら与えてくださいね!