高タンパク・低脂肪・低カロリーの鶏肉は、犬の手作りご飯にもピッタリの食材です。そんな食材を使って、愛情たっぷりのレシピ作ってみたくはありませんか?
市販のドッグフードの原材料としてよく使われていることからも、犬にとって理想的なタンパク源であるというのがよくわかりますね!
スーパーで手軽に購入でき手頃な価格なこともあり、愛犬のために手作りご飯をつくってみたいという飼い主さんにもオススメの食材です。
とはいえ、鶏肉といっても部位によって栄養やカロリーが異なります。手作りご飯をつくるのに、どの部位を使っていいのか悩んでしまうという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
なので今回は、こんな疑問にお答えします。
この記事でわかること
- 犬に与えたいおすすめの部位
- 鶏肉の栄養と犬に与えるメリット
- 鶏肉アレルギーについて
- 鶏肉を使ったおすすめの手作りご飯レシピ
をお伝えします。
愛犬に鶏肉を使った手作りご飯をつくってみたい方は、ぜひ読んでくださいね。
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鶏肉は、先程も申し上げたように部位によって栄養やカロリーが異なります。
鶏肉の部位は?
- ①胸肉
- ②ささみ
- ③もも肉
- ④レバー
- ⑤砂肝
- ⑥鶏皮
- ⑦手羽先
それでは、一つ一つの特徴を見ていきましょう。
脂肪が少なく、低カロリー高タンパクの部位です。タンパク質の代謝を助けるパントテン酸やナイアシン、ビタミンB群が豊富に含まれています。
また、胸肉特有の栄養素であるイミダゾールペプチドは、疲労回復と抗酸化作用効果が期待できます。
消化もよいので子犬や老犬にもおすすめです!
鶏肉のなかでも、とくにタンパク質が多く低カロリーの部位です。肉質がやわらかく、子犬から老犬まで手作りご飯に使用できます。
筋肉質な部分なので噛みごたえもあり、旨みも強いため満足感をえられます。鉄分とビタミンが豊富な部位です。
ささみや胸肉と比べて脂質が多いので、与えすぎには気をつけてください。
ビタミンAが豊富な部位です。
犬にレバーを与える際は、週1回程度にとどめましょう。
低カロリー高タンパクでおすすめの部位です。小型犬の場合は、丸のみして喉に詰まらないように細くカットして与えるようにしましょう。
関節や肝臓のサポート効果が期待できる、ビタミン類やコラーゲンが豊富な部位です。ただしカロリーは100g497kcalとささみの107kcalの約5倍です。
茹でこぼして、余分な脂を落として与えましょう。
それでもかなり高カロリーのため、与える場合はごく少量にしましょう。
タンパク質は少なめですが、関節・筋肉・骨・内臓・皮膚・目などを健康に保つ効果の高いコラーゲンが豊富な部位です。犬用のサプリメントも発売されているほど、コラーゲンは犬にとって大切な栄養素です。とくに子犬や老犬の健康サポートには重要な役割があります。
また、カロリーも100gあたり207kcalと高めです。与えすぎに気をつけましょう。
- 文部科学省食品データベース
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
犬にとって栄養価の高い鶏肉ですが、実はアレルギーの出ることが多い食材でもあります。鶏肉によるアレルギーは、部位によっての症状の違いはありません。脂肪分が少ないとされる胸肉やささみもアレルギーの原因となりますよ。
鶏肉を使用したドッグフードで症状が出ていなければアレルギーの可能性は低いですが、はじめて与える時は少量から様子を見ながら食べさせましょう。
もし下痢や嘔吐、皮膚の痒みなどの症状が出た場合には、アレルギーの可能性もありますので、獣医師さんへ相談してアレルギー検査を受けることをおすすめします。
- 固形に限らず、チキンを煮出したスープでもアレルギー症状は出ます。もし鶏肉アレルギーと診断された場合は、市販のドッグフードに含まれる「チキンエキス」なども避けるようにしてください。
- 同じくドッグフードに含まれる「ミートミール」にも注意が必要です。「ミートミール」は、豚・牛・鶏などの複数の動物の成分が使用されています。チキンと書かれていなくても、鶏肉が使われている可能性は高いので避けた方が良いでしょう。
鶏肉アレルギーの犬でも、卵は食べても大丈夫な食材です。卵には、食物繊維とビタミンCを除くすべての栄養素が含まれていることから「完全栄養食」として知られています。
ただし、生の白身に含まれるアビジンは、犬が大量に摂取すると成長を妨げたり皮膚炎になったりすることがあります。アビジンは熱に弱いため、必ず加熱して与えるようにしてください。
犬の健康に良い栄養がたっぷり含まれている鶏胸肉を使って、愛情たっぷりの手作りご飯に挑戦してみましょう。
基本的には、犬の手作りご飯に味付けは必要ありません。
肉や野菜など、素材そのものの味を楽しんでもらいましょう。
お肉の美味しそうな香りだけで、いつもとは違う特別なご飯だと感じて喜んでくれますよ。
犬は野菜の消化が苦手なため、細かく刻んで使用します。
胃腸の弱い犬やシニア犬など咀嚼・消化力が弱っている犬の場合は、フードプロセッサーでピューレ状にして使用してあげるとよいでしょう。
鶏肉は脂肪分が少ないため、オリーブオイルなどの良質な油をつかって焼く・炒めるなどの調理方法もおすすめです。
水分の少ない部位なので、たっぷりのスープで煮てあげても食べやすくなります。
今回は煮込んだスープごと楽しめる参鶏湯に挑戦してみましょう!
手作りは、「少量で」トッピングとして作ってみましょう!
※食材は基本的に「肉:野菜:米などの穀物」を「1:1:1」として考えます。
※一回量は犬の頭の鉢サイズが目安です。
水溶性成分であるイミダゾールペプチドを含む栄養素がたっぷりスープに染み出しているので、食欲のない犬や咀嚼力が衰えてきた老犬にもオススメのメニューですよ!
スーパーフードとして人気のクコの実は、皮膚や目の健康を助け、アンチエイジング効果も期待できますよ!
体を温める食材と言われる鶏肉や生姜、消化吸収を助けるオクラ、利尿効果のある白菜を使ったレシピで、胃腸の調子を整えましょう。
「わんわん参鶏湯」の材料
- 鶏むね肉 100g
- 水 250cc
- 山芋 約2cmの輪切(40g程度)
- 白菜 20g程度(小さめの葉1枚)
- にんじん 15g程度
- オクラ 1本(厳密に測らなくてもOK!)
- 生姜 適量(少量でOK)
- クコの実 2、3粒
- トッピング用パセリ 約1房
※実際に与えてもいい量は、犬の運動量や体格によっても変わるのでうまく調整してくださいね。トッピングなら1日のカロリーの10%以内
▼簡単に犬のカロリー計算ができるツール
引用:獣医師広報版(R)|犬のカロリー計算ver3.0
「わんわん参鶏湯」の作り方
- 鶏胸肉は1口大にカットする(噛む力のない老犬の場合、包丁で叩いてミンチにし、肉団子にしてもOK)
- 生姜を細かめのみじん切りにする
- 山芋はすりおろす
- 山芋以外の野菜をすべてみじん切りにする
- パセリはなるべく細いみじん切りにする
- 鍋に水を入れ、沸騰したら鶏胸肉と生姜を入れ3分ほど煮る
- 鶏胸肉に火が通ったら、すりおろした山芋と野菜を入れて5分ほど煮る
- 最後にクコの実を入れてひと煮立ちさせる
- フードボウルにいれ、仕上げにパセリをトッピングして出来上がり
- 出来立てのご飯は犬にとっては熱すぎるので、人肌程度(35〜38℃)にさましてから与えましょう。
- 半量でつくってドッグフードにかけてもOKです(ドッグフードの量を減らすのを忘れずに!)
- 鶏皮はコラーゲンも豊富で、関節サポートも期待できるのでそのまま使用してOKです。ただしカロリーが高いので、与えすぎには注意しましょう。
- 若く運動量のある犬は、鶏胸肉を鶏もも肉に変えてもOKです。
- クコの実は、小型犬は3粒程度まで、中型〜大型犬は5粒程度までを目安にしてください。
- 誤嚥の心配な老犬は、片栗粉でさらにトロミを増してあげるとよいでしょう。その場合、冷めにくくなるため、しっかりと冷ましてから与えてください。
手作り食は作ったその日のうちに与えることが基本です。
今回のレシピの場合は、野菜を入れる前のチキンスープの状態ならば冷凍で保存できます。チキンを入れた状態で密封容器に入れて冷凍してください。
使う時は凍ったまま火にかけて解凍し、好みの野菜を入れたり、ご飯を入れて雑炊にしたりなどアレンジも可能です。
また、鶏胸肉を取り除いてチキンスープだけで冷凍するのも使いやすくおすすめです。
鶏肉を茹でた時のお湯は、鶏の栄養がたっぷり入っています。製氷機に入れて冷凍すると使う分だけ解凍できるので便利です。
- 水をあまり飲まない犬にスープとして与える
- 食欲のない犬に、解凍したスープでドッグフードをふやかして与える
- 犬用の雑炊などをつくる時に使用する
手作りご飯をはやく冷ましたい時にも活用できます。熱々の手作りご飯に冷凍のチキンスープを一個入れるだけで、早く冷めて味も薄くなりません。
ドッグフードの代わりに手作り食を与える場合、下記を参考にしてくださいね。
与える量はあくまでも目安で、犬種や年齢、運動量などによっても異なります。最初は少量から与えて、様子をみながら愛犬にぴったりの量を見つけてください。
与える目安
犬の体重 | 与える目安 |
---|---|
体重2〜3kg | 1食に25〜30gを目安 |
体重5kg | 1食に50〜60gを目安 |
体重10Kg | 1食に100〜120gを目安 |
体重15kg | 1食に150〜180gを目安 |
犬の食欲がない時や、誕生日など特別な時には手作りご飯を用意してあげたくなりますよね。手作り食に挑戦する時に栄養のバランスが心配という話をよく耳にしますが、あまり神経質にならなくても大丈夫です。
ドッグフードは総合栄養食として、それだけで充分な栄養が取れるように作られています。そのため、時々、手作りご飯を与えるだけなら栄養バランスをそこまで気にする必要はありません。
手作りご飯をバランスよく取り入れて、愛犬がいつまでも元気で健康な毎日を過ごせるようにしたいですね。